Matsufuji ミュージック・サロン ~
C型モデル
1853年創業以来、100以上の特許を得てピアノの発展に寄与し、世界の人々に愛されているピアノです。
Matsufuji ミュージック・サロンにあるピアノは、C型(C-227)とよばれるモデルで、今日のD型(D-274)が登場するまでフルコンサートモデルでした。スタインウェイの創意あふれる芸術性を具体化した、中クラスのコンサートホールに理想的なピアノです 。
特許の一部をご紹介しましょう。
【リム(側板)】(1885年特許)
スタインウェイの二重の内側・外側リムは、15~18枚の堅い木板を、木目をそろえて貼りあわせ、1工程で形成されます。
「リムは共鳴の重要な構成要素」というのが、スタインウェイの
理念のひとつです。
リムは熱や蒸気を使わずに独自の方法で曲げられます。こうして 永続性、耐久性、堅牢さが保たれるのです。
【鉄骨フレーム】(1872年特許)
弦を張るフレームには、合わせて20トンもの弦の張力がかかります。スタインウェイのフレームは、響板に触れることなく、木製のダボで支えられています。
ゆるやかなアーチを描いたフレームは、響板との間に大きな空間を生み出し、それによって共鳴が強められます。
スタインウェイの歴史は、創業者のハインリヒ・エンゲルハルト・シュタインヴェーグ(1797~1871)に始まります。
ドイツの「木炭のマイスター」の家系に生まれたハインリヒはピアノの製造を始めますが、ドイツの封建社会を嫌い、自由な社会を求めて、アメリカ・ニューヨークに渡りました。
ニューヨークは木材や鉄鋼等の材料学者、ピアノ設計者、ピアノ技術者、音楽家、ビジネスマンなど、ピアノの製造販売に必要なすべてを備えた街でした。ハインリヒは名前をアメリカ風にスタインウェイと変えます。
彼は「最高のピアノ」を求めて、アメリカで入手できる木材を研究し、1853年、ついにニューヨークのマンハッタンにスタインウェイ&サンズ社を設立します。2年後には、ニューヨーク博覧会に交差弦と鋳型鉄骨フレームのスクエア・ピアノを出品、受賞します。
その後、1865年のパリ万博で金メダルを受賞するなど、その名声はヨーロッパにとどろくことになります。リヒャルト・ワーグナーがバイロイトで使用したのも1876年製のスタインウェイピアノでした。
1880年、スタインウェイ社はドイツ工場をハンブルグに設立します。ヨーロッパの気候に合った材質を使用することで、生産コストの削減と楽器の品質の保持に成功しました。1881年には、あのフランツ・リストが演奏するピアノを製作しています。ハインリヒの息子のセオドアは、近代科学の知識をピアノ製造に応用して、ピアノの改良を行いました。
とりわけ、1872~73年のアントン・ルービンシュタイン、1891~92年のパデレフスキーによるアメリカ・コンサートツァーの成功は、スタインウェイの名を世界に轟かすことになりました。
現代のピアノのほとんどは、スタインウェイシステムと呼ばれる方法、すなわち鉄骨、弦、共鳴板のシステムを採用しています。
スタインウェイ使用のコンサート、レッスンの例
第1回~第4回ひなまつりコンサート 2008~2011年
演奏:松藤弘之
豊増昇生誕百年記念音楽祭プレ・イベント 2013年
演奏:松藤弘之
公開レッスン
講師:ヴェルシーニン(モスクワ音楽院准教授)2014年
講師:スレサレフ(モスクワ音楽院主任教授) 2015年